白内障
人の眼は、よくカメラにたとえられます。カメラのレンズに相当する働きをするのが水晶体です。水晶体は透明で、光を透過しレンズとして眼底の網膜に光を集め、外界の物体の像を結ぶ働きを持っています。
透明なはずの水晶体が濁ってくると、光が眼底に入る前に散乱され、レンズとしての網膜に像を結ぶ働きが弱くなり、かすんで見えるようになります。この水晶体の濁った状態を白内障といいます。また水晶体が濁ると光がその部分で乱反射するために、光の強い戸外ではまぶしく感じたりすることもあります。水晶体の濁り方によっては、物が2つにも3つにも見えるようになることもあります。
さらに濁りが進行すると、水晶体が黄色や茶褐色となって、かすみも強くなり、しだいに物が見えなくなってきます。また非常にまれではありますが、水晶体の濁りがかなり進行してしまうと緑内障になり、急に痛みや充血が起こります。この場合、放置すると失明してしまうこともあります。
白内障は、今後ますます増えていく眼疾患の一つです。進行を遅らせる点眼はありますが、根本的な治療法は手術しかありません。
水晶体(カメラで例えるとレンズ)の混濁が進行して視カが低下し、日常生活に支障をきたすようになると水晶体を摘出します。水晶体を取り除いた後は、眼内レンズ(人工水晶体)を挿入することにより、視カを回復させることが可能です。
現在、日本では一年間に約20万人の人が白内障の手術を受けています。
当院では火曜日の午後と木曜日(隔週)に、日帰りで白内障の手術を施行しています。
光がまぶしく感じる、最近見えにくくなったと思われる方は、一度眼科で検査を受けることをおすすめします。
白内障は、適切な治療により、視カの回復が望める疾患です。